「四月は君の嘘」雑感① 「届け」音楽はそもそも,極めてプライベートなものだ 

広瀬すず主演(?)で,実写化され,話題,というか賛否両論の「四月は君の嘘」。

ノイタミナ枠のアニメは大体観ているんだけど,これはリアルタイムで観てなかった。

理由は,

①異動数ヶ月前に始まったので,いろいろと気忙しかった上に,異動時期で視聴できない回があるのは嫌だなと。

②予告観た感じ少女漫画原作。微妙。

③奔放な女の子に振り回される真面目な男子。よくある設定。

視聴意欲をそそられなかった。

 

失敗しました。間違ってました。

リアルタイムで,最初から順序よく観とくんだった。

 

周りでちらほら話題になるもんだからネットで情報仕入れてたら,話の大枠知ってしまったのよね,先に。で,DVD借りて観たら。。。

もう,号泣。。゚(゚´Д`゚)゚。

 

最近のアニメやドラマにありがちな,伏線あちこちはって,結局回収しきれず終わる,という中途半端な作品ではなく,タイトル,プロローグ,展開と伏線,そしてエンディングがぶれていない。

話の軸は,主人公「有馬公生」の成長。

広瀬すずが演じた「宮園かをり」は,もう一人の主人公ではあるけど,「宮園かをり」の物語ではない。

そもそもこの作品は,少年誌(月刊少年マガジン)連載だからな,当たり前か。

 

多分(観てないけど)実写版は,広瀬すずを主人公にしたかったんだろうな。

そういう描き方もあるんだろうけど,そうすると「四月は君の嘘」というタイトルから違ってくるよな。

原作を最後まで読んだ人は(ぼくもそうですが),「宮園かをり」目線のサイドストーリーなんてのを読みたいと思うんだろうけど。

 

ぼくがこの話に共感したことの一つは,音楽の描き方。

作中,主人公を含めて5名の演奏者の演奏シーンがあるんだけど,「届け」「響け」「届いたかな」「届くといいな」と,想いを込めて演奏する。その想う相手が,「有馬公生」であり,「宮園かをり」であり,兄であり,母であり,幼なじみであり,友達であり。。。

「個」を想って音楽を届けようとする。その姿に,ぼくは引き込まれた。

音楽って,根本はそうだと思う。もっというと,希望とか願いってそういうことだと思う。

 

音楽の根本は極めてプライベートなものだ。

そのことを,この原作者はわかっていると感じる。

 

~続く~